「俺は三河陽光!よろしくな!」

先程と同じ眩しい笑顔。

私だって負けないよ。毎日作り笑い頑張ってるし。

「私は朝比奈深紗!よろしく!」

よし、笑えた。初対面で暗い子って思われたくない。

「おう」

心なしか彼の顔が赤くなってるような…ま、気のせいか。

「陽光くんは、どうしてここに?」

ここは小児病棟だから、色んな病気の子がいる。

から、誰がどんな病気なのかわからないことが多い。

陽光くんは、とても病気にはみえないくらい元気だけどね…

とか、思ってたら彼は戸惑ったような顔で固まってる。顔は前より赤くなってるし。暑がりかな?

「どうした?」

「え、いや…

初対面で名前呼びって…」

え?あれ?名前呼びっておかしいの!?

「ご、ごめん。私学校行ったことないからわからなくて…」

あーあ、とんだ失敗。じゃあ…

「三河くん?かな?」

こてんと首を傾げる。

「ん、いや、名前呼び…の方がいいな」

「良かった。なんか苗字呼び変な感じ。

それで、どうしてここに? 」

「んー、なんか生まれつき心臓が弱くてね。それでも前まで学校行ってたんだけど…」

心臓かあ…

「でも、俺元気だし」

陽光くんがにこりと笑ってVサインをする。

ほんとに病人には見えないな。