運良く測定試験が始まる前に到着できたので、三人は急ぐこともなくあざみを真ん中にしてグラウンドへと降りる芝手前に設置されたベンチに座った。
中央では制服姿の華風が教師から説明を受けている。
当然授業中なのであまり生徒は見当たらず、グラウンドは静かだ。


「華風の魔術は雪だよな?」


「ええ、歴史書ではそう記されていました。」


「彼女、随分手慣れてる…あれはロシア魔術の流儀に近いね。」


ランクの測定試験では自身が使える最高位の魔術の使用が最初に行われ、実戦と固有魔術保有者ならばその魔術を見せて終了だ。
教師が距離を取ったということは召喚魔術の類いだろう。

三人はただ華風を見つめる