私の家の近所には私たちと同じくらいの家柄のお家があった。
私とその家の男の子は家柄が同じということで、一緒にいることが多くなった。
でもそれは自然な流れで、私がそんな彼に恋するのも自然の流れだったのだろう。
その男の子の名前は高村翔(たかむら かける)。
私の二つ上の男の子だ。
翔は小さい頃からいつも一緒だったため、お互い呼び捨てしあう仲だった。
だから、私は翔のことがすごく大好きだったし、私は翔しか考えられなかった。
なのにある日突然翔は引っ越してしまったのだ。
お父さんの仕事の都合で外国に行くことになってしまったらしく、私はものすごく残念がった。
でもパーティーに行けば翔に会えると思い、パーティーだけは欠かさず参加していた。
でも、ある時のパーティーで、翔の婚約者が発表された。
それは私たちと同じような家柄のお嬢様。
だったら私でもよかったんじゃないのと思ったが、その子は翔と同じ国に住んでいて、そこで仲良くなったらしい。
何も言えなかった。
その子は私より可愛かったし、私の知らない翔を知っているのだから。

