父と電話で話していて、父に怒られた時本当に恐くて今直ぐにでも逃げ出したい気分だったのに、そんな時彼が助けてくれたんだ。


神崎くんはあの父に反論してくれて、本当に尊敬した。

まずあの父に刃向かえる人なんてほんの一握りだ。


なのに彼はそれを平気でやってのけた。


父がそんなに怒らなかったのは、きっと神崎くんが私の婚約者だから。


そして父自身が選んだ人だからだろう。


そうでなければ今頃ものすごい形相で怒っているはずだから。


神崎くんのフォローのおかげで、父の機嫌も少しは良くなり、安心した。


だけど、パーティーには参加することになってしまった。


でも私はそんなに嬉しくはない。


だってパーティーに行けば、嫌でもあの人に会ってしまうから。


会ってしまえば、きっとこの想いを止められなくなってしまう。


そうなれば、きっとあの人も神崎くんも困るだろう。


だって私のこの想いは叶ってはいけないのだから。