お父さんだって今まで苦労してきたんだ。
もちろんお父さんだけを責めるつもりはなかったが、結果的に責める形になってしまった。
でもこのまま先輩を放っておくなんて出来ない。
俺はいつの間にか先輩を守りたいと思っていた。
でも先輩が頑張るのはあれが原因だったとは思いもしなかった。
「先ほどのことは申し訳ありませんでした。そこで一つ提案があります。お父さん。先ほどパーティーで俺たちの事を発表すると仰っていましたよね?俺それに参加します。それでいいですか?」
『君がいいならそれでもいいが…。君は雪と付き合ってくれるのか?返事はまだだと聞いたが?』
俺の中でもう答えは決まっていた。
「はい」
『ならばそれなりの手続きはしておこう。帰りに車を用意しておく。それに乗ってくれ。もちろんスーツも用意しとくから、移動中の車の中で着替えるように。では失礼する』
そう言って電話は切れた。

