でもこのまま放っておくわけにもいかない。


そこで俺は先輩に近づいた。


まだ先輩は電話を切っていないから、繋がっているはず。


そう思って、先輩から電話を取り、先輩のお父さんと喋ろうとした。

「もしもし。おれ神崎裕太って言います。先ほどの会話聞かせてもらいましたが、少し言い過ぎではありませんか?真白先輩は今もずっと震えているんですよ?いくら何でも、家のこととは言い、先輩だけに押し付けすぎではありませんか?」


『君に何が分かる?真白の何が分かるんだ?俺だって若くして、真白に嫁ぎ真白のために全てを犠牲にしてきた。もちろん美沙の事は愛しているが、俺だって苦労しているんだ。真白に生まれた以上そんな事ぐらいしてもらわなきゃ困るんだよ』



俺は言葉に詰まることしかできなかった。