俺は真白先輩が去ってから、しばらく考え事をしていたので、10分ぐらいしてから歩き始めた。


何で急に真白先輩が告白なんてしてきたのかは分からないが、きっと事情があるのだろうと思っていた。


この時まではそんな深刻な問題では無いはずだと思っていた。


あの会話を聞くまでは…。




ふと前方を見ると、真白先輩が誰かと電話していた。


俺は思わず隠れてしまい、盗み聞きをする羽目になってしまった。


逆の道から行けば帰れたが、今は真白先輩が気になった。


電話している先輩はどこか落ち着きがなくて、さっきから怯えているようにも見える。


「…し…いいと言って…」


離れているせいか、会話が途切れ途切れでしか聞こえない。


でま次の瞬間、電話越しからでも聞こえる大音量で男の声が聞こえた。


威圧感があり、遠くにいた俺にだもびびったくらいだ。


電話している先輩はもっと怖いはずだ。


『馬鹿者!何をやっている?真白家の人間でありながらそんなこともできないのか。お前にはがっかりしたよ。もういい。今日はパーティーのあってそこで2人の事を発表しようとしたが、お前がそうなら今日は無しにしよう』


今ので全てのことに納得が言った。


真白先輩が急に告白した意味も、全部家のことが関わっていたからなのだと。


しかもお父さんに言われていたとは思いもしなかった。


先輩は泣きながら謝っている。


じゃなきゃ先輩が俺に告白してくるわけ無いよな。


自分で思って少しショックを受けている自分がいた。


まぁ、あんな人に告白されたら誰だって嬉しいしな。


俺も疑いながらも少し嬉しかったし。