あんなにモテるのに誰とも付き合ったことがないとか何か訳があるだろうし。 「まぁ教えてやろう」 拓人のその声に、俺は真白先輩から視線を外した。 「真白先輩の家は、代々受け継がれる‘‘真白家’’なんだよ。いわゆるお嬢様っていうのかな。だから結婚相手も親に決められる。だったら付き合ってても意味ないんだよ。どうせその人とは一緒にはなれないんだから」 そうだったのか。 今時あるんだな。政略結婚なんて。