「こいつは少々男と言うものを理解してない所がありまして、僕の教育不足です。気を持たせてしまったみたいですいません。でも、あなたの隣にうかうかと差し出すわけにもいかないので。」



「なるほど。彼女が無防備だと彼氏のガードが固くなるわけか。入れ込む前で良かったよ。.......うららちゃん、またどこかで会おうね。」


新の鉄壁のガードの前に上原さんは退散していった。いや、でも、話をしてただけですよ?そんなに警戒しなくてもよくないですか?


「う、上原さんとはお話してただけだよ?」


「うらら、帰ったら、お説教だからね?」


「新だって美人さんとあんな近くで話してたじゃん。」

「あれは仕事でしょ。」

「仕事って距離じゃなかったもん。」

「ヤキモチやいてんだー。あのね、むっかしから言ってるでしょ、俺の好みはあんなケバケバしたのじゃなくってうららなの。じゃあ、そろそろ俺行くから。」



新は狡い。たった一言で、イライラしてたことも、全部全部どうでも良くしてしまう。


顔が真っ赤になってるだろうな。


少し離れた所にいた上原さんと目があった。会釈をするけどもう近寄ってくる気配はない。




そんな上原さんより遠くにいる美人さんがこっちを睨んでいる気もするけど、それは気のせいってことにしよう。