後日、デートすることになった。


伊織に、


『次の週末までにお前がデートコースを
決めてこい、ベタで良い、宜しく頼むぞ』


と言って押し付けられた。


私もあんまりデート経験がないから、
本当にベタだと思うデートコースを
考えてきた。
  

待ち合わせ場所も駅の前

そろそろ時間なんだけど、来ない。


と言うか、私は、変じゃないだろうか。


お母さんに相談して決めたものだから
大丈夫だと思うけど……。


「琴葉、待たせたか」


「全然、待ってないよ」


そう言って、振り向くと、
黒を基調としたモデルの様な格好の
伊織がたっていた。


「どうかしたか」


「いや、格好いいと思って、洋服とか、
色々」


「そうか、雑誌でモデルが着ていたものを
丸っと買ったんだ」


モデルが着てた物をさらっと着て
似合ちゃうなんて、頭だけじゃなく
スタイルも良いんだ。


「それより、どこに行くんだ」


「あっ、先ず映画館に行こうかと」


「どんな映画なんだ」


「恋愛映画、結構人気なんだよ」


「そうか、面白そうだな」


良かった、気に入ったみたい。

ふざけるなとか、言われたらどうしよう
かと思った。


「それじゃあ、行こうか」

「待て」

「どうしたの」


手をだして、


「今日は、デートなんだ。
手くらい繋げ」


いつも上からなのに、繋げって少し
デレた。


「うん」


手を繋いだ。


「じゃあ、行くか」