そして、放課後。


今日は、家に帰りたくない。

この点数は、本当にヤバイ!

これは、雅に怒られる。


マジでどうしよう、どうやって、機嫌を
取るべきか。


「お前、そんな点数どうしたら
とれるんだ」


机から顔をあげるとそこには、王子がたっていた。


「なんで、こんなとこに」


「生徒会の仕事から逃げてる途中」


「えっ」


「今頃、副会長あたりが騒いでることだ。
人の困っているところほど滑稽なものはない」


今、目の前で黒い笑みをこぼしているのは

本当に、あの王子様なのだろうか。


「なんだ、人の顔をジロジロと、
俺の顔に何かついているか」


「何か、キャラが、違う」


「そりゃ、そうだろうな。
いい人を演じてるんだから」


それって、どういう事なんだろう。


「やっぱり、38点、赤点ギリギリの
お馬鹿さんには難しかったか」


「なっ、そんなこと」


「それで、何故、一之瀬はまだ残って
いるんだ」


あっ、そうだ、どうしよう。


「流石にこの点数はヤバイと言うか、
ヤバイと言うか、ヤバイと言うか」


「馬鹿は同じ言葉を何回も繰り返す」


何か、さっきから毒舌が飛んでくる。


「家に帰って怒られたとしても、
次のテストがあるし」


「授業中、寝たりしているからだ」


「どうしよう」


「あっ、良いこと思い付いた」


良いこと?


「おい、俺が勉強教えてやる」


「えっ、本当に!」


「その代わり、俺と付き合え」


そう言うと、王子様は不適な笑みを浮かべた。


「勉強を教えてやるから、その代わり
俺と付き合え、give and take だ」


「付き合うってなにに」


「恋人ごっこ」