「こっちだ」


牛の女の子の行った方向を進み、少しすればペンダントが黄色く光った


悪魔の闇月の姿は見えなかったが、なんだか嫌な予感もした


黄色の光は既に眩いほど光っていた


「見てみて!街があるよー」


ミルが指さす方を見れば、そこに一風変わった街が見えた


街に入れば、雷の国とは思えない程、中華な町並み



「雷の国っていうから雷が降ってるのかと思ったぜ」



スグルが空を見上げていった



「炎の国は凄いもんね!」



「ああ。上も下も炎だからな」



「それってどんな国だよ…」



思わず口を挟んでしまったリヒトだが、上も下も炎と言われれば口も挟みたくなってしまう


「今の聞いて私、炎の国行きたくなくなったわ…それで?見つかりそうなの」



マクリはため息をつかながらリヒトを見た



「だいぶ近いはずなんだけど…」


リヒトが周りを見渡すと近くから



「もっと聞かせてアリサ!」



という小さな子達の声が聞こえた



小さな子達の輪の真ん中に箱に座って得意げに話す金髪でツインテールの女の子がいた


「リヒトどうしたの?探さないのか」


ユウがリヒトに声をかけたとき


「さっき牛と散歩してたらチビとうざい男が牛に攻撃してきたアル。もちろん悪魔の闇月同様コテンパンにしてやったアル!アハハハッおかしいアルヨ!」


この声とこの口調…リヒトが女の子に声をかけようとした矢先、ミルとスグルが



「誰がうざい男だってー?」


「ミルチビじゃないし、コテンパンにされてないもん!」




既に女の子に絡みに行ってる最中だった



「あの2人子供かよ…」



「昔からああだからね」



「あれで同い年なのよね…」



リヒト達のため息を背にミルとスグルは



「紹介するアル!こっちがチビで、こっちがうざい男アル!」



「違うって言ってるだろ!」


「違うもん!チビじゃないもん」



「アハハハッ!君たち本当に面白いアル!アハハハっ腹痛いアル」


そんなやり取りをみたリヒトは


「笑い袋みたいな子だな…」



と遠い目をした