向こうの森から聞こえる枝を踏み、草花を投げ倒すような音が聞こえる

それも複数だ


目をつぶったリヒトの前にみんなは立った


「これは何なのよ?」


「ミルは何が来ても平気だよ!」


マクリが警戒するのとは対象的にミルはチョコの双剣を構えニコッと笑った


「何かの動物の大群か?」


「なら丁度いいぜ。消し炭にしてやるよ」



冷静に見据えるユウの隣で炎を出し殺る準備万端なスグル


音は大きくなってゆき遂に


「来たわ」


マクリの言葉と同時に牛の大群が飛び出してきた
だが、それとほぼ同時にスグルとミルが大群に向かって飛んでいった



リヒトは目を開けると、そこにはユウとマクリが自分の前で牛の大群を見据えていた



(こうしてる場合じゃない。俺も戦わないと…)


そうしてペンダントに手をやれば眩いほど黄色く輝いていた


「これは…」



辺りを見渡すが、牛の大群以外何もいない



だが、光はどんどん眩く光った
近くにいる…

ふと、牛の大群を見ればそこに人が1人乗っていることに気がついた



そんな中ミルとスグルの2人は牛の大群に攻撃を仕掛けようとしていた


「次の合図で一緒に行くからな」



「スグルに言われなくても分かってるもん!」


『せーの!』


ミルとスグルが一緒に掛け声を掛け、牛の大群に攻撃を仕掛けたが、



「いきなり物騒ネ。今急いてるアル」



牛の上に乗ってるであろう女の子の声が聞こえた
女の子の子が手を降ればそこから微量の雷が宙を舞う


「くっ!こんな所に人がいたのかよ」


「油断した」


突然の攻撃に防御を取ったのも束の間、牛の大群と謎の女の子は去っていった


ホッと息をついたのも束の間、森から今度は人の大群が押しおせてきた


「あれは…」


ミルはその集団を睨みつけた


「悪魔の闇月!」


リヒトは声を上げたが集団は声が聞こえないかのように通り過ぎていった


その方向は女の子が向かった方だった


そして黄色く輝いていたペンダントも少しずつ霞んでいった


すぐに行ってしまったがリヒトは一瞬女の子がみえた


黒く長いフードを被っていたのだが、黄色い彼女の瞳が見えた



「今のは十二星座なの?それに悪魔の闇月の連中に追われてたわ」


近くにいたマクリとユウは気がついた様だった



ミルはチョコの双剣を、スグルは炎の剣の魔法を解いてこちらに向かってきた
あの女の子が12星座なのではという旨の事を話した



「そうだったの?それよりもあの連中が…」


「ミル!落ち着けって。それよりそういうのは早く言えよな。そしたら俺らで捕まえたのに」



スグルの言葉にミルも頷いた
鋭い目つきもいつの間にか消えていた


「過ぎたこと言っても仕方ないじゃない。で、どうするのよ?」



「12星座を追うかそれともまた会えると仮定してとりあえず氷の国に行くか…どっちにする?」



ユウに急に意見を求められだが、迷いはなかった


「あの女の子を探す。少し寄り道になるかもしれないけど。それに心配だから」


「うん。そうだね」



みんなはリヒトの意見に従ってくれた


(それに悪魔の闇月について分かるかもしれない。ミルが言っていた12の悪魔についても…)