「記憶が無いの?」


ミルはリヒトをのぞき込む

「まあね。でも故郷の風景とか…昔聞いたようなこととか…所々は覚えてる」


「いつかは帰れるわ。きっと」


その時のマクリは優しい目をしていた


「そういえばそのペンダントの…」


ミルの言葉にリヒトがペンダントを見れば赤、青、ピンクの光が灯っていた


「ペンダントが光って…」


「それミルが言おうとしたのに〜」


むくれるミルを横目で見る
この強い光、それに3つ…
それは目の前の3人が12星座の1部であることを表していた


「やっと気がついた?俺は天秤宮の守護者」


ユウは気づいていたのか、笑みを浮かべた

「ミルはね、白羊宮だと思う」


「だと思うってなんだよ!オレは獅子宮だ」


スグルはちょっとツッコミを入れつつ言った


「せっかくだし契約しとく?」



ユウがそう提案するとリヒトは慌てて


「でも…契約って…」


「なんだよ?早く言えよな」


スグルが急かすとリヒトは顔を真っ赤にして


「キスしなきゃいけないんだろ!」

と大声で言えば3人は笑って


「体の一部に触れればいいんだよ」


「それじゃぁ男の人ともすることになっちゃうよ?お兄ちゃんがいいならいいと思うけどね」



「いやいやオレらがよくねーよ」


マクリはさらに顔を真っ赤にして


「でもバルゴがそう言って…」


バルゴが誰なのか謎だがそれは後にして


「お兄ちゃんこっちこっち」


ミルに手招きされリヒトは近づく


「ミルはお兄ちゃんと契約します!」


突進するかの勢いでリヒトに抱きつく
あまり力強く抱きつかれリヒトが慌てる


「もういいだろ」


スグルは不機嫌そうに呟けばミルをリヒトから離してしまう

「オレはお前と契約する」


リヒトの手を叩けばそのまま無言のまま立ち去る


「いくら何でも雑すぎだ。」


ユウに言われてもそっぽをむいて無視する


「我は天秤宮の守護者。 主 リヒトと契約を結ぼう」


ユウは帽子を外し、リヒトの手をとりそっと握る


そして3つの光はペンダントの中に吸い込まれていった