あいつ等×バカ


「チビ捕獲っ☆」

「!?」



首だけでバッと振り返ると、ニヤーッとバカにした目であたしを見下ろす翔。



「俺も見ちゃった〜☆おまえのズッコケ姿w」



…あたしの笑顔は引き攣る。


…うぜぇ〜(^-^#)



「翔〜ボール。」



フェンス越しに野球少年が呟く。
あたしが「あっ」と言う間もなく、ボールを奪って野球少年に投げる翔。



「おはよー龍☆」

「おー。」



…明らか初対面じゃなさそうな感じ。


あたしは翔の腕を払い落として、鞄を持った。



「ん、龍!こいつな、俺の幼なじみの美羽っちゅーねん☆…見てのとーり、ドジでチビな女の子っ♪」


「どーも♪ドジでチビの美羽ですっ……って」



あたしは鞄で翔を殴った。

…本能でノリツッコミしてしもた……恥ずっ//



「…くっ(笑)おもろい幼なじみやなぁー」



…龍って少年は、腕で口を隠して笑っている。


あたしが言い返そうとした瞬間…



――キーンコーンカーンコーン…



「あぁあぁぁ!!遅刻〜!!」



叫んでダッシュで走るあたしの後ろからワンテンポ遅れて、2人の爆笑が聞こえる。



…後で覚えとけよハゲ共!!