「みーちゃん、忘れ物ないか?」



転校初日の朝。

おばあちゃんが心配そうに、玄関で靴を履くあたしに問い掛ける。



「大丈夫やって!!…ってかおばあちゃん!!寝てなあかんやろ!?」



…おばあちゃんは、最近体調を崩して休んでいる。

たいしたことないって笑顔を見せるけど…



「大丈夫大丈夫。それより、ほんまにええん?着いて行けんくて…ごめんなぁ。」


「えぇって!!小学生の転校ちゃうねんからっ(笑)ばあちゃんは、ゆっくり寝とくんやで?」


「はいはい。ありがとね」



いつもの優しい笑顔で微笑むおばあちゃん。
大好きなおばあちゃんの笑顔を見て、あたしも笑顔を返す。



「ほなね!いってきま〜す♪」


「いってらっしゃい。気ぃつけてなぁ」


「はぁ〜いっ♪」



あたしは元気よく手を振って、ばあちゃんと別れた。



こっちの人は知らない人ばっかだけど、すぐ友達できるといーなっ♪o(^o^)o



ウキウキ気分で歩いていると、後ろから急にでかい声が聞こえた。



「あ〜っ!!!!!!」

「わっ…」



その声にびっくりして飛び上がり、思わずずっこけてしまう。