その時間の授業が終わって、教室に戻ってきた翔。
あたしが茶化して翔と言い合っているところを、龍くんが野球ボールを手の上で転がしながら笑って見ていた。
「ちょりーすっ☆」
…そこへ、ちょっとイケイケっぽい1人の男子とその仲間達がクラスへやってきた。
「うわっ…出た!!」
「裕也…」
2人が露骨に嫌そうな顔をする。
その反応に、あたしは首を傾げた。
「え?何?知り合いなん?」
「中学3年間、俺らと一緒のクラスやった奴」
「あいつマジ女っタラシやで気ぃつけろよ」
2人が紹介と忠告をしてくれたけど、イマイチ状況が読み込めない。
だって…気づいたらその人は、あたしの肩に手を回していたから。

