今日は珍しく、月が綺麗。



柄にもなくそんなことを思っている自分が可笑しくて、一人、誰もいない夜の学校の廊下で笑みを浮かべる。





なんで私は夜の学校なんかにいるのでしょうか?



まったく思い出せない。これが世に言う夢遊病ってやつかもしれません。


だとしたら私は随分昔から夢遊病患者だったのでしょう。


この学園にやってきてから、気づいたら夜の校舎を徘徊してることなんてしょっちゅう。




明日の授業に支障が出るかもしれないから早く寮に戻らないといけませんねえ。




相変わらず不気味なほどに輝く月を見ながら、足を早めた。