「あ、佐咲」
ん？哉白？
美夜さんが言うほうを見ると、不健康そうな猫背の野郎が歩いていた。哉白もワタシたちに気付いたらしく、ワタシたちの距離は近付いた。
「今日はありがとね〜」
「ああ」
そういや美夜さんと哉白はワタシが教室を飛び出した後に話してたんだっけ？
美夜さんが哉白に話しかけるのを見てワタシも声をかける。
「哉白っ！相変わらずめっちゃ猫背やな！」
「おめーはいつもと変わらず変な歩き方してんな」
美夜さんと話してるときはダルそうな表情をしていたのにワタシへ向けるのは見下した眼差しと不気味な笑みだ。
美夜さんはワタシたちの会話を見て呆れたように口開く。
「佐咲〜、イチコの話聞いてやって」
「美夜さんやだよ！こんな腹立つやつ！」
「ケンカ吹っかけてるんわイチコやろ」
「違うし！哉白の存在がもうワタシにケンカ吹っかけてるんですぅー！」
キーキーとワタシたちは駅までの道を騒いで歩いていく。
