こうやってちゃんと哉白と対面するのは中学の卒業式以来のような気がするけど、ワタシと哉白は毎晩のように話してるからなんか不思議な感じだ。
「哉白目付きの悪さ増したね」
「おめーはブサイクに磨きかかってんな」
言い返す気にもならない。
その通りすぎて。
まだ中学の頃のほうがワタシは可愛げがあったかもしれない。ブサイクに変わりないだろうけど。
哉白はワタシの隣に腰を下ろした。
「もう授業始まってると思うけど…」
ワタシは横目で哉白を見ながら疑問を口にした。
「知っとるわ。…イチコの大声、俺らのクラスまで聞こえてたで」
「げっ……まさか、美夜さんと」
「ああ、話した。相当あいつもキレてた」
もちろん哉白も同じ中学だった美夜さんのことを知っていて美夜さんとワタシの仲のこともよく知っている。
哉白は騒ぎを知ってワタシの所へ来たというのか…。
哉白は一息吐くと天を仰いだ。
「めんどくさいことしてんなー」
「………」
「しかも内容あほらしすぎ」
「………」
「さっさ仲良くしてこい」
「ケンカじゃないし…」
「どう見てもケンカだろ」
………哉白のくせに偉そうだ。
憎い!!!!!
でも、落ち着いたような気もする。
ワタシの数少ない友人、涙は止まったし彼のおかげで心が穏やかになったのは事実だ。
ワタシは立ち上がり、
哉白を見下ろしてビシッと声を出す。
「哉白のくせに!今夜覚えておけ!」
「どーせおめーが殺られるって」
哉白は相変わらず暗い瞳でワタシを見上げ、ため息を落とした。



