「ぷっは、ブッサイクな顔〜」
笑ってんじゃねぇぞ、くそが。
光に翳すと茶髪がキラキラと反射する頭、八重歯が特徴的な口元に人を見下すような瞳、彼はワタシの幼なじみと言えるかもしれない存在だ。
家は離れてるけど、親同士が知り合いで小学校から同じ学校で腐れ縁とやら。あー、こいつも同じ高校に受かったんだった。クラス違うけど。
どうやらワタシはむくろ君以外の男性の前だと極端にテンションが下がるらしい。というかこれが元々のワタシだ。
気味悪い笑みを浮かべる彼、佐咲 哉白をワタシは睨みあげた。
「何しに来たの」
哉白のおかげで涙は引っ込んだ。ありがたいけど、何しに来たのマジで。
「その前に何で俺の電話出らんの」
「な、なんと…なく?」
見下す視線が怖すぎた。ワタシは哉白を睨むのをやめて苦笑いを浮かべた。
「いい度胸してんな、今夜覚えとけよ」
あー、最悪だ。哉白も機嫌が悪い。
一応、ワタシ病み上がりなんだけどなぁ。



