バンテスト魔法書の保持者




暗い‥‥‥どこまでも暗い闇


そこに鎖つきの手錠と足枷、そして首輪までもつけられていて、私は立っていた。


「リューラ、君はいったい何をしてるの?」


聞こえてきた声に反射的に顔をあげると、目の前には20代前半くらいの青年がいた。


その顔を見た瞬間、いや、声を聞いた瞬間、私は身体を震わせ、情けなく歯をガチガチとならした。


「シ、シュンライ、様‥‥‥‥」


シュンライ・コーフレス

明るいオレンジ色の髪に、緑色の瞳。

優しそうで美しい顔立ちのマスター。

その瞳は何を考えているかわからない。

いつも微笑んでいた。

         ・・
私を今も縛り付ける元主の1人。


「リューラ、命令を忘れたのかい?」


シュンライ様の言葉に肩をビクつかせた。


私は自然と俯いてしまう。


「リューラ、お前は私達を裏切るのか?」


突然、グイッと後ろに引っ張られた。


そして、誰かに背中から抱きしめられた。


「ク、クガハ様‥‥‥‥」


クガハ・コーフレス

シュンライ様の兄だけど、シュンライ様とは全くといって良いほど似ていない。

深い青色の髪に、お揃いの緑色の瞳。

いつも無表情で、その瞳はどこまでも冷酷。


シュンライ様同様、私を縛るマスター。


「お前は私達のモノだ」


「君は僕達の人形だよ」


まるで確認するかのように言うマスター達。


私は、この人達には逆らえない。


「命令、まだ覚えているよね?」


「‥‥‥‥Yes」


「いい子だ」


クガハ様の声を聞いたとたん、私は意識を失った。