バンテスト魔法書の保持者

ボッーとしていると、手が私の顔に向かって伸びてきた。


反射的にそれを払う。


パシッと乾いた音がした。


シーンと周りの音が自然と止む。


‥‥‥‥‥やってしまった。


避ければよかった。


いや、結果は変わらないか。


「あなた、私を誰だと思って‥‥‥‥」


「だからラメル、落ち着け」


ハァ、と軽く溜め息を吐いて顔を上げた。


さっき会ったライドさんに肩を掴まれてる女子生徒。


ウェーブのかかった真っ赤な燃えるような髪に、つり目な紅の瞳。

身長は女子にしては高い。


ジュエルの色は白銀だからSクラス。


この人‥‥‥‥‥誰?


「何か言ったらどうなの?私を誰と思って?」


偉っそうな人だ。


あの髪と瞳は、メルカライト王家のものか。


あれ?メルカライト国に王女いたっけ?


有名なのは第1王子と第3人王子‥‥‥‥


メルカライト行ったことないしな。


メルカライト国は教会のあるホルラン国と同じで、ハンラルト国とつながってる。


ホルラン国からはハンラルト国を挟んでいるから、結構遠い。


情報もあんまりもってない。


「ちょっと、聞いてる!?」


またまたバンッと机を叩く‥‥‥ラメルさん。


とりあえず頭を振った。


誰か知らなかったし、答える気ないし。


「あなた‥‥‥‥」


気温が更に上がった。


この人、自分の魔力も満足に操れないなんて。