バンテスト魔法書の保持者

さて、どう答えようか。


なぜか、ユカナ先輩も目をキラキラさせてこちらを見ている。


「幼なじみだ」


「幼なじみ‥‥‥あ、その子のお名前は?」


俺の言葉に、反応したのはユカナ先輩。


ミミル先生も、興味深々と顔に書いてある。


教会のシスターも、こういう話は好きだったような気がする。


まだ幼い頃にリューラと一緒にいると、ニヤニヤ、いや、ニコニコして見ていたのが懐かしい。


「リューラです。俺はリオウです」


「私はデンです。リオウ君、リューラ君は精神状態が不安定になったんですよね?」


「はい」


「そういう場合は、魔力が暴走してしまう。今回は体調が崩れただけで済んだのが幸いです。
前にこんなことが?」


「ありました。きっかけはさまざまです」


「う~ん‥‥‥魔力が暴走してしまうと、最悪死ぬこともあります。きっかけの共通点が分かるといいのですが‥‥‥」


デン先生の言うとおり、魔力が暴走すると体内の魔力が無くなり最悪死ぬことになる。


そうでなくとも、危険と見なされたりすると殺されるケースもある。


きっかけがさまざま。


これは本当だが、俺は理由を知っている。


それは『初対面の人と関わった時』だ。


リューラは、人と接することを嫌がる。

       ・・
そういうふうに教育されている。

             ・・
いや、あれは教育というより調教か。


「とりあえず、リューラさんが起きたらこれを飲ませて下さい」


デン先生が、ベッドの近くにあるテーブルにポットを置いた。


中からは、少しだけ甘い匂いがする。


「アロピーラというハーブの入ったハーブティーです。癒やし効果があり、疲労回復にも期待ができます」


「ありがとうございます」