バンテスト魔法書の保持者

「リューラ〜ここで待ってて☆」


「(コクリ)」


オシレットの声が聞こえ、顔をあげる。


オシレットは彼女を置いて、教室を出ていってしまった。


‥‥‥チャンス、かも。


私はすぐに立ち上がり、クラスの視線を無視して彼女に近づいた。


「リューラ‥……って呼んでいいかしら?」


「‥‥‥‥」


リューラは本から視線を上げて、私を見つめる。


無表情で、何を考えているかはわからない。


けど‥‥‥話してみたい。


前々から興味があった。


暴走してると言われた魔狼を使い魔にし、私の模擬戦もキッパリと断った。


かと思えばオシレットと試合をして、あり得ないほどの戦闘力を見せられた。


そしてさっきの魔法‥‥‥‥


「ねぇリューラ、私の魔法、どう思った?」


「?」


「あなたからの目で見て、どう思った?」


「‥‥‥‥」


なぜか私の顔をジッと見つめたまま話さない。


ただ無表情でいる。


‥‥‥やっぱり無駄か‥‥‥‥‥


「綺麗、だった」


「え?」


「澄んでて、精霊が喜んで、心地のいい炎」


恐らく、そばにいる私にしか聞こえない声。


けど、私にはハッキリと聞こえた。