バンテスト魔法書の保持者

幻術‥‥‥か。


私はあんまり得意ではない。


幻術をつかうのも‥‥‥つかわれるのも。


「いいだろう。相変わらず、いい腕だ」


「ありがとうございます」


「次、イナリシア・ハンラルト」


「はい」


イナリシア王女‥‥‥


確か、ハンラルトの王族は光魔法が皆得意って聞いたことがある。


「リューラ」


「?」


「よく、見ているんだよ」


オシレット先輩の言葉に、私は少し戸惑った。


わざわざ、なぜ?


ジッとイナリシア王女を見つめる。


「光の精霊よ、我に闇を灯す光を与えよ‥‥‥
〈ライト〉」


「‥‥‥?」


優しい光が教室を照らした。


そして、少しの違和感。


綺麗な光。


だけど‥‥‥


「ねぇ、どう見えた?」


試すように、笑って問いかけられた。


どう、か。


「量に、頼ってる」


「♪」


私の言葉に、オシレット先輩は満足したようだった。


確かに、イナリシア王女の魔法は綺麗だった。


だけど、あれは質ではなく量で誤魔化している感じだ。