バンテスト魔法書の保持者

そう思いながら、教科書を読み進める。


「!」


ふと、小さく、この教科書の普通の文字よりも本当に小さく、書かれていた言葉。


申し訳ない程度い書かれた、けど、少し長めの文章で書かれている。


その言葉に、私は目を奪われた。


[精霊とは、従えるものではない。手を取り合い、自分の魔力と結びつけ、そして魔法の発動を手助けしてもらうための、私達にとっては欠かせない、大切な小さな手伝い屋である]


クスリと、心の中で小さく笑った。


表の表情に出たかはわからない。


その文章を指でなぞる。


小さな、大切な、手伝い屋。


これはおそらく、この本を書いた筆者の言葉だろう。


もしかしたら、精霊の声の聞こえる人かもしれない。


今はもう、あまり精霊の感情や姿に関心や興味をもつ人は少ない。


精霊は魔法を発動させるためのモノ。


そう考える人が多いし、そう教える者が多い。


けど、この言葉を、文章を書いた人は違う。


まさか教科書として使われている書物に、こんなことが書かれているなんて思わなかった。


もしかしたら、ほとんどの人が気づいていないかもしれない。


それでも‥‥‥嬉しい、な。


少し上機嫌な心で教科書を読み進めていく。


この人の考えを、もっと見たい。


またどこかに書いてないかな?


「オシレット」


「はい?」


オシレット先輩の名前が呼ばれた。


「試しにお前がやってみなさい」


「属性は?光ですか?闇ですか?それとも?」


「好きにしてよろしいので、早くなさってください」