バンテスト魔法書の保持者

まぁいいかとオシレット先輩に身体を預け、とりあえず先輩方の授業に耳を傾ける。


「魔力の質。ずっと言っていることですが、これと魔力の量はあまり関係ございません。魔力が多いからといって、魔力の質がよくなるわけでもない。

魔力の質とは、どれだけ体内の魔力と精霊との結び付きを高くすることにございます。

もちろん、自身の魔力だけでも魔力の質を上げることは可能です。こちらの方が魔力の質を上げやすいという者も多いのが事実です。

しかし、これでは質を最高潮に上げることはほぼ不可能だと言われています。だが、自身の魔力だけで質を上げることも大事でございます。

その理由を‥‥‥イナリシア、答えなさい」


「はい。それは、魔法を使う場所と魔力の属性関係にあります。

例えば、海ではほぼ火の精霊が存在しません。そして、自身の魔力属性が火属性の場合、水精霊を多く従えることは難しいです。

その時に、頼れるのは自分の魔力だけだからです」


「いいでしょう」


授業に耳を傾けながら、私はオシレット先輩の教科書を見つめる。


「はい、自由に見ていいよ」


オシレット先輩が、私に教科書を渡してそう言ってくれた。


私が本を受けとると、オシレット先輩は私の髪の毛をいじりはじめた。


‥‥‥他人に髪の毛をいじられるのは少し嫌いだ。


なぜなら、私の髪はファルファラ族の証であるから。


だから伸ばしているのもある。


だけど、今は髪を染めているせいか、それとも相手がオシレット先輩か。


嫌な感じはしなかったので、私は教科書を読み始めた。


1年よりも分厚い教科書には、基礎からあまり知られていないことまでビッシリと書かれている。


すごい‥‥‥これが教科書なんだ。


学園に入るだけで、これだけの情報の詰まった本が手に入るのか。


「今日の授業は、まずは自分の得意属性の魔法の質を今持てる最高まで上げてもらいます。この説明が終わり次第、各自にやってもらいます」


ああ、実技とはこういうことなのか。