バンテスト魔法書の保持者

あの、試合の時の冷めた顔が嘘の用。


少し、羨ましい。


あんな怖い顔も、今こうして明るい表情もできるこの人が。


ふと、廊下を歩くハイヒールの音が聞こえた。


「貴女達、教室の入り口で何をしているのでございましょう?」


頭の上で団子にされた深緑の髪と瞳に、涙ぼくろ。

見た目は40前後といったところか。

眼鏡をかけ、スーツを着こなした女性。

魔力の量や質を持ち上げる特別授業の講師

3年Aクラスの担任 エクトロナ・アンダーン


「あら?リューラさん、あなたは1年Fクラスのはずですが?」


私を見た瞬間、エクトロナ先生の目が細められる。


刺々しい声音。


エクトロナ先生は、実力のある人だ。


だが、それ故か差別意識も一際高い。


特に、Fクラスへの対応は冷たいもの。


私は‥‥‥この人は嫌い。


蔑む、そして期待したい瞳。


表面上のFクラスという看板しかみないこの人が。


「そしてそのふざけた服装は何ですか?」


「それは、‥‥‥」


「エクトロナせーんせ!」


私が言おうとすると、オシレット先輩が抱きついてきた。


「オシレット先輩?」


「リューラ、僕から説明するから、ね?」


頭を優しく撫で、優しい声音で私に言った。


意図はわからないが、私は口を閉じた。


「聞いてませんか?この子、今日から1週間は僕の下部なんですよ♪」


「下部?」