バンテスト魔法書の保持者


オシレット先輩は無言で私の手を掴んだ。


それからお互いに何も言わず、私とオシレット先輩はSクラスに戻った。


「っ、オシレット!」


教室に入れば、イチカ先輩が少し怒ったような顔をして駆け寄ってきた。


「やぁイチカ。ご機嫌麗しゅう?」


「な〜にがご機嫌麗しゅう?、よ!あなた仮にも風紀委員でしょ!?」


「いつものことじゃないか。何をそんなに怒っているのさ」


「さっきの授業、ミランダ先生だったのよ!あんたがいないって、私が怒られたじゃないの!」


「そりゃあ、規則を守らない生徒を注意するのが風紀委員だからね。だめだよ?イチカ。風紀委員の君がちゃんと取り締まらないと」


「だ・か・ら!風紀委員はあんたもでしょ!」


‥‥‥さっきから疑問がある。


疑問、というか、信じられないというか‥‥‥


私はオシレット先輩の袖を引いた。


「(クイクイ)」


「ん?リューラ、どうしたんだい?」


「風紀委員、なの?」


「え?ああ、言ってなかったか。この4年Sクラスには風紀委員が3人いるんだ。僕も一応その中の1人だよ☆」


‥‥‥責任感の欠片もなさそうな風紀委員だ。


『学園を守る』については仕事できそうだけど
『風紀を守る』については仕事できなさそう。


「リューラ、今、僕にとって失礼なこと考えてるように思ったんだけど気のせい?」


「(フルフル)」


「あはは〜そこは嘘でも首を縦に振ってほしかったな〜」


声は明るく、明後日を見つめどこか遠い目をする。


‥‥‥器用。


表情がコロコロと変わる。