完全に意識が覚醒したようで、意地の悪い楽しそう顔で言うオシレット先輩。


「僕の笑顔にやられちゃった?」


「‥‥‥‥」


なんだろう‥‥‥


さっきまであった熱が、一気に冷めた。


なんでだろう?


「‥‥‥オシレット先輩、離して、ください」


「え〜どうしよかったな〜」


「‥‥‥離せ、クズ」


「あのね子猫ちゃん、僕、仮にも君の先輩なんだけど」


起きたんならさっさと離して欲しい。


オシレット先輩から視線を外し、腕を解かせようと力を込める。


が、全然解ける気配がない。


どんな力してるの‥‥‥!?


「子猫ちゃん?」


「うるさい、離せ」


「え〜‥‥‥‥‥‥ぁ!」


不意に、オシレット先輩の吐息が近づいてくるのを感じる。


不信に思ったが無視する。


が、オシレット先輩の吐息をうなじに直接感じとり、固まった。


瞬間‥‥‥


「リューラ」


「(ゾワッ)」


耳から入る少し低いテノールの声。


首筋にかかる吐息。


我慢出来なくなり、私は叫んだ


「〜〜〜〜〜っ、シンルス!」


「げっ、」


叫んだ瞬間、オシレット先輩の腕が緩み私はそこから逃げた。