世界からガラリと変わったように、森の外は広野が広がるばかりで木々がない。


ただ、緑の美しい草が広がるばかり。


遠くに見える灰色の大軍に、私は目眩を覚えた。


そして、捉えた。


その中で、一際目立つ存在を。


白馬に乗り、赤いマントを羽織っている1人の男。


遠くで顔はよく見えないが、その両脇に立つ他の人達とは身なりの違う人達。


本で、騎士団と呼ばれるものの存在は知っていた。


あれは‥‥‥あの人達が‥‥‥


「っ、」


私は噴き出す感情を必死に抑え、目を瞑る。


大きく息を吐き、手に魔法を込める。


今は‥‥‥違う。


ここから逃げるんだ。


ファーザーの言う通りに‥‥‥


瞬間移動の魔法を展開する。


これで、どこか遠くへ‥‥‥





パリンッ!!





「キャッ!」


突然、展開していた魔方陣が砕け散った。


後ろに倒れそうになり、何かが背中に当たる。


「ゲームオーバーだよ。妖精さん」


聞きたくない声がした。


勢いよく顔を後ろに振り向くと、綺麗で楽しそうな瞳と目があった。


「チェックメイト」


意識が遠くなる‥‥‥


男の服にある、クロスされた剣と十字架とドラゴンの紋章。


それを目に焼き付け‥‥‥‥















私は意識を失った。