バンテスト魔法書の保持者

腕を上げる。


知らないはずのメロディーが頭に流れる。


♪♪ ♪♪ ♪ ♪ ♪♪♪ ♪ ♪♪ ♪ ♪♪♪


私は指揮棒を振るった。


「なっ!?」


「ぐあっ!?」


身体が自然と動く。


その場で踊り、指揮棒を振るう。


頭の中に流れるメロディーが、周囲に展開されていく黒の魔方陣から流れる。


また1つ、また1つ、魔方陣が出来る。


「な、んだ、これは!?」


「頭が‥‥‥くっ!」


2人は頭を抱え、耳を塞ぐ。


辺りの草木が黒い胞子となって分解されては消えていく。


(さぁ、眠りなさい)


全てを壊し、また有るべき姿へ。


母なる大地へ帰るのだ

(母なる大地へ帰りなさい)


踊れ、歌え、さぁ、終末にして始まりへ。


そう、これは正義。


心の中に誰かが話しかけてくる様。


私がやっているのは正しいこと。


なのに‥‥‥なのに‥‥‥


心が、痛い‥‥‥


止まって、壊さないで‥‥‥


大事な家なの。


思い出が沢山あるの!


皆が‥‥‥皆の帰る場所なの!


壊したく‥‥‥なぃよぉ‥‥‥!


助‥‥‥て‥‥‥ファ‥‥‥ァ‥‥‥


「神に与えられし尊し命。その全ての生命は輝きを失うことはあらず。
失われかけし生命に今、再び命を与えん」