バンテスト魔法書の保持者

パチン


私が指を鳴らすと、風が吹き荒れる。


そして煙がなくなった。


‥‥‥立っている。


まだ、2人が立っている。


「あ〜あ、クガハ、白衣汚れたね」


「仕方がない。さっさとすますぞ」


辺りの木々は倒れ、ファーザーも意識を失ったままだ。


倒れ、折れた草木を見つめ、私は顔を歪めた。


ああ、傷つけてしまった。


ごめんね、ごめん、ごめんなさい。


早くあの人達を排除しないと。


(もうここの木々は死んだ)


私が傷つけた。


(終わりは始まり。全てを始めからやりなおさなければ)


始めからやりなおす。


(全てを‥‥‥)


そう、全てを‥‥‥


全てに、終わりを


「終わりは始まりの合図」


「!、なんだ?」


「辺りが‥‥‥」


口が私の知らない呪文を唱える。


始めから‥‥‥やりなおす。


「終焉の時。終末の時。終わりは始まりのための代価なり。訪れよ。終わりにして始まりの音色を紡ぎし我の声」


少女の、私の髪が、瞳が、黒く染まる。


精霊の羽が黒に染まり‥‥‥


瞳から光が、消えた。


「皆に等しく、死を与えよ」


手に指揮棒が創造される。