バンテスト魔法書の保持者

果てしない沢山の恐怖が心を支配するのは、今日で何度めかはわからない。


ただ、心が負の感情に支配される。


森がなくなる恐怖

友が傷つく恐怖

死への恐怖


そして、確実に心に積もる黒い感情。


小さくだが、確実に積もる‥‥‥‥


(壊せ、殺せ)


ダメ、ダメ、


(愛しい者を傷つける者に報復を)


報復‥‥‥


『ファル、よく聞きなさい』


『なぁに?ファーザー?』


『どんなに相手に怒っても、決して手を上げてはいけない。傷つけてはいけないぞ?』


『う、な、何で?』


『そんなことをすれば、お前も相手と同じになってしまう。お互いに悪いかもしれない。互いに互いの事を考え、そして許す』


『ゆるす‥‥‥』


許す‥‥‥ゆるす‥‥‥‥


お互いに悪い。


悪い?何が?何が悪い?


私が、私達が何をした?


わからない、わからない、わからない。


「動いてはいけない」


「ぁ、ぅ‥‥‥」


「動けば、君の大切なあの天使を傷つけてしまおう」


「ぇ、ダメ!」


思わず大きな声を出した。


いけない、ダメ。


ファーザーが傷つけられる。


「そうだろう?なら、大人しくしているんだ」