バンテスト魔法書の保持者


私の記憶‥‥‥


私の時間‥‥‥


私の歩んできた道‥‥‥


記憶を振り返る度に、私は思い知る。


自分の中にある醜い感情の大きさに。


私の中にある、大きな大きな‥‥‥



〈復讐心〉





私はあの時、魔法にかけられて動けなかった。


青年の腕の中で、ただ抱き抱えらていて。


でも、不意に感じた魔力。


大好きな、大切な、あの人の綺麗な魔力。


「ファー、ザー?」


「‥‥‥」


目の前には赤々と燃える炎が映っている。


だけど、確かに感じる1点の光。


小さな灯火がついたように、心が温かくなる。


青年の足取りは止まらない。


どんどん近づいていく。





そして、私は〈絶望〉を目にした。





「‥‥‥ぇ?」


声が出たかはわからない。


ただ、目を小さく見開いた。


目を疑った。


そこには‥‥‥



鎖に縛られるファーザーの姿があった。



「ファ、‥‥‥ザー‥‥‥?」


「!」