*********************
裏庭の1本の大きな木。
その根元に、2人の男女が手を絡めて眠っている。
「っ‥‥‥‥」
不意に、青年の目が開いた。
・・・
その瞳は、美しい銀の瞳をしていた。
太陽の光に眩しそうに目を細める。
周りを軽く見渡した後、青年は眠っている少女に目を向けた。
少女の顔は少し汗をかいている。
手を絡めたまま、青年は少女と更に距離を積める。
「‥‥‥リューラ‥‥‥」
青年はそう小さく呟くと、少女の額に口付けをした。
少女を見る青年の目は、とても優しかった。
どこか儚げで、優しく、慈愛に満ちた表情を少女に向けている。
青年の手が、少女の頬に触れる。
軽く少女の頬を撫でた後、少女を優しく抱き締めた。
「聖なる加護を 愛しい者へ」
*********************
「!?」
リューラの精神世界、ルクスは休めていた意識を覚醒させた。
「ルクス‥‥‥?」
近くにいるシンルスが、驚いた表情でルクスに問いかける。
「シンルス、今、声がしなかったか?」
「声‥‥‥?いや、わからない」
「そうか‥‥‥‥」
シンルスは何処か遠くを見つめる。
学園内、表に出ることはできない。
だがしかし、確かに‥‥‥
「ルクス?」
「いや、懐かしい声がしたような気がしただけだ」
「?」
リューラが過去を見ている。
だから、リューラの感情や見ているものが流れてきたのかもしれない。
ルクスは静かに、自分にそう言い聞かせた。
*********************


