バンテスト魔法書の保持者

何かから強烈な風が吹き荒れ、リューラごと僕を吹き飛ばす。


本棚に背中を強打する。


鋭い殺気と冷たい瞳。


それだけで、僕の恐怖心は充分に煽られた。



「オシレット、先輩‥‥‥」


「リューラ、あれは‥‥‥何だい?」


「‥‥‥」


「リューラ?」


口を固く閉ざし、顔を伏せるリューラ。


その表情は辛そうに歪み、身体は細かく震えていた。


『リューラ、その者は今すぐにここから追い出しなさい』


「‥‥‥黙れ。これ、私の決めた、こと。お前、出てくるな」


『その者が‥‥‥そんなに?』


「黙って、引っ込んでいろ」


『!』


リューラが何かに向かって手を突き出し。


その瞬間、空間に無数の魔方陣が浮かび上がった。


『リューラ!』


「うる、さいっ!」


魔方陣から無数の鎖が現れる。


その鎖は何かに絡み付き、自由を封じる。


何が何だかわからない。


ただ、リューラの表情は酷く感情的で。


僕の服を握っている手は、服を突き破ると思うほどに強かった。


「リューラ‥‥‥」


「!」


僕は、なぜかリューラを抱き締めた。