バンテスト魔法書の保持者

突然に響いた高い声。


その声が呪文を紡ぐと同時に、少女と青年の間に竜巻が現れた。


青年は即座に後ろに下がって回避する。


そして竜巻が止むと、空から妖精が舞い降りてきた。


「ユーン‥‥‥!」


「助けに来たわよ!」


「ガァ!!」


「!」


ユーンが現れた瞬間、青年の後ろから爪を光らせた獣が現れた。


青年は獣の攻撃を最小限の動きで回避する。


「タッセン‥‥‥!」


「チッ」


「ちょっと、タッセン不意討ちで仕留めそこなわないでよ」


「うっせぇ」


タッセンが後ろ一瞥し、少女と目を合わす。


「ユーン、手当てしろ。あいつは俺が引き受ける」


「わかったわ」


ユーンが側に来て、その手に優しい光が灯る。


光は少女の傷ついた身体を癒していく。


「お前達は少しは骨がありそうだな」


「油断してると、何も噛めなくなっちまうぞ」


「ほぉ?」


タッセンの爪が煌めき、青年に襲いかかる。


少女はそれをジッと見ていた。


駄目‥‥‥このままじゃ‥‥‥ダメ。


「ユーン‥‥‥」


「喋らないで。もうすぐ終わるから」


それでも少女は口を動かした。