バンテスト魔法書の保持者

私は本を読みながら言った。


すると、ルルさんの雰囲気がすこし変わった。


(あ、怒った、かな?)


そう思ったがやっぱり本から目を離さなかった。


ああ、でも本気でヤバいかもなんて思う。


ルルさん、怒るとお説教長い。


でも、すでに遅いだろうから気にしない。


「リューラ!!もう怒りましたよ!!無理やり連れて行きますからね!!」


そうルルさんが言うと、私の身体が浮いた。


私の周りには光の幕がある。


光属性の魔法だ。


対象の者を光で作ったボールの中に入れて、その光の玉を自由に動かせる魔法。


荷物運びとかでは非常に便利。


何も唱えないで魔法を使った。


ルルさんって本当に何者なんだろう?


これ、光魔法でも結構難しい魔法のはずなのだけどな。


「楽チン楽チン。ルルさん、ありがとう。非常に楽」


「もう、リューラは本当にめんどくさがりですね。ご飯を食べる時は本は置いといて下さいね」


「はいはい」


「はいは1回!」


「は~い」


ルルさんは軽くため息をついた。


私はルルさんに運ばれながら食堂に向かった。


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ガヤガヤと騒がしい食堂。


殆どが小さい子供で10歳以上の者はごくわずかしかいない。


「あ、リューラだ!!」


その子供の声で私に集まってくる子供たち。


ルルさんが指を鳴らすと、魔法が溶けた。


そして、私はそのまま地面に着地‥‥‥とはいかず、尻餅をついた。


「痛い‥‥‥」


「着地しないリューラが悪いんだろ」


私が文句を言うと、子供を押しのけて青年がやってきた。