バンテスト魔法書の保持者

彼女の周りに精霊が集まる。


背に羽が出現し、衣装が変わる。


(力を‥‥‥皆を守れるほどの‥‥‥力を!)


「水の精霊よ、我に力をかしたまえ。鎮静の聖なる水をもって、かのものを沈めたまえ!
〈ウォーターウェーブ〉!!」


身体の周りに水が出現する。


地を蹴り、上に身体を回しながら飛び上がる。


すると少女を中心に、大きな水の波が一面に広がった。


「♪〜」


彼女が美しい歌声をあげると、魔法の威力が更に上がる。


水は木々の炎を被いつくし、炎を消していく。


「〜♪〜ッ!」


歌声を止め、地面に着地する。


辺りの炎は消えていた。


「ハァ、ハァ、ハァ、」


「チチッ」


「だ、大丈夫。皆は‥‥‥大丈夫?」


「チチッ!」


「よ、よかった‥‥‥」


だが、彼女の目は悲しげだった。


周りを見てみれば、無残な有り様だ。


木々は倒れ、草木は焦げている。


あの木々に‥‥‥森の皆の家があった。


「チチッ、チチチッ!」


「ありがとう‥‥‥ごめん‥‥‥」


森の皆が、励ますように少女に触れる。


あるものは優しく少女の頬を舐めてやる。


あるものは、その柔らかい毛並みで少女を優しく撫でた。


「他の皆は無事かな?早く行って‥‥‥」





「ほぉ?これはどういうことだ?」