バンテスト魔法書の保持者


「はぁ、ハァ、ハァ〜」


「フッ、フッ、フ〜」


ある湖の水辺で、少女は息を乱して汗を拭う。


隣には、グッタリとしたタッセンが倒れている。


「は〜い、今日もタッセンの負け〜」


「う、ゼェ、うるせー」


自然と身体が動いているとはいえ、なかなかハードな競争だった‥‥‥


というか、子供のするものじゃない。


狼君、隙あらば攻撃してくるし‥‥‥


子猫ちゃんも子猫ちゃんで攻撃してたけど‥‥‥


「‥‥‥疲れた」


溜め息をつき、少女は地面に座る。


湖に向かって手を合わせ、少しの間祈りを捧げる。


それから漸く、湖の水に手を浸けた。


なんて澄んだ水なんだろう‥‥‥


この森は全てが美しい。


なのに、なぜこの場合を僕は知らない?


こんなに美しい森、有名にならないはずがないだろう。


精霊も多く、空気も水も澄んでいる。


「フゥ〜」


軽く顔を洗い終え、少女は水を小さな両手の平ですくう。


それからタッセンのところまで持っていき、顔に水を落とした。


「ブハッ!この、何しやがる!」


「暑いかと思って‥‥‥スッキリしたでしょ?」


「まぁそれはそうだが‥‥‥」


子猫ちゃん悪気がないから、狼君が複雑そうな顔をする。


子猫ちゃんって‥‥‥以外と天然なんだなぁ。


「楽しそうですね」


「「「!」」」