バンテスト魔法書の保持者


ファーザーとルクスがどこかへ行った後、少女は森を散歩する。


少女は森から愛されていた。


そして少女も森を愛していた。


ファーザーから教わった魔法で、怪我をした者達を癒し、植物を育て、森の皆と遊び。


‥‥‥何か、以外だなぁ。


子猫ちゃんの目って、幸せを知らない感じがしたんだけど‥‥‥


「おい!今日も俺と戦え!」


そう言って現れたのは、1匹の狼だった。


「タッセン」


また僕は、自然と言葉を紡ぐ。


「タッセン!また懲りもせずに勝負?いい加減諦めたら?」


そう言いながら、1匹の妖精が木から地面に軽やかに着地した。


「うるせぇ!ユーンは黙ってろよ!」


懲りもせず‥‥‥‥


なるほど。


タッセンと呼ばれるこの狼は、子猫ちゃんの競争相手‥‥‥ライバルといったところか。


「あんたもこんな奴に付き合うことないのよ?
それより、私と一緒に湖で遊ばない?」


10歳くらいの容姿をした、ユーンと呼ばれる妖精。


この2体が現れた瞬間、少し強めの嬉しい感情が流れ込んでくる。


特別仲のいい、友達というところだろう。


「まず、タッセンと勝負。その後、ミリウリアス様の湖、行く」


ミリウリアス様?


どこかで聞いたことがあるような‥‥‥?


「おっしゃ!じゃあ、ミリウリアス様の湖まで競争な!」


「ん!負けない!」


「んもう、子どもなんだから」





〈互いを競いあう狼、姉のように慕う妖精。こ
の2体と少女は特別仲がよかった〉