バンテスト魔法書の保持者

俺は急ぎ足でリューラのそばに向かう。


「あ、リオウ、ありがとう」


リューラは俺に気づく。


その目線は『助けて』という言葉を俺に伝えているようだった。


それにしても、何故レイトが?


料理を置くと、レイトを睨みつけた。


「リューラになんの用だ?」


「いや、別に‥‥‥」


リューラの方に目線を送ると、リューラはレイトの代わりに答えた。


「リオウ、グランプリ、出る?」


「出るつもりはない」


「説得しろって」


なるほど。


リューラに俺がグランプリに出るように説得してもらうつもりだったのか。


「リューラは俺に出てほしいのか?」


「出たいならどうぞ」


「出ない。出たいとも思わない」


「だ、そう」


リューラはそう言ってレイトに目線を向ける。


レイトは舌打ちしそうな表情をしている。


まさかリューラに接近してくるとは‥‥‥


これから気をつけるか。


動かないレイトに呆れ、無視することにした。


「リューラ、どっちがいい?」


「ナポリタン‥‥‥」


「Bの方か」


リューラにB定食を渡す。


で、この王子はいつまでいる気だ?