バンテスト魔法書の保持者

その顔は久しぶりに寝たかのように安らかで、
だが、疲れきっていた。

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リューラは完全に信用する者がそばにいないかぎり、深い眠りにはつけない。


それはそういうふうに訓練されているから。


俺もそうだが、俺はそれをコントロールすることを教えられていた。


だがリューラは別。


無意識に周囲を警戒する癖がついている。


教会に来たばかりのころは、俺がそばにいても完全に眠ることは出来なかった。


寮でも完全には寝ることができたことはないだろう。


リューラの友、ランナ、ルシータ、そしてリルといったか‥‥‥


あの3人は信用できている方か。


だがこの学園の結界は強力で、敏感な者は嫌でも感じてしまう。


それがまたリューラとっては負担だろう。


『バンテストを探している』


生徒会室で話した内容が頭の中で流れる。


‥‥‥リューラは決して強いわけではない。


俺が、俺が絶対に守る。


生徒会に、ハンラルトにリューラは渡さない。


いや、誰にもリューラは渡さない。


もう、あんな辛い思いはさせたくはない。


「クゥーン」


「シンルス、どうした?」


『リューラは、疲れている』


「知っている。だから今眠っているんだ」


『リューラは、リオウのことを信頼している。
信頼している人が、苦しそうな顔をしているとリューラ悲しむ』


「‥‥‥俺は今、そんなに酷い顔なのか?」


シンルスは首を縦に振った。


俺もそろそろ限界か‥‥‥


最近は上級生にも興味を持たれるようになっていた。


リューラと一緒にいるのは、俺自身が平常心を保てるようにするため。


本当に助けられているのは俺の方か。


スヤスヤと規則正しい寝息をたてるリューラの顔は、俺にとっては癒し。