バンテスト魔法書の保持者

この短時間でよく調べたものだ‥‥‥


勝てる可能性は約2割。


なるほど。


「本気は出すが勝てるかはわからない、か」


「ん。勝ち、狙う」


「珍しいな、リューラがそこまで本気になるのは。何か理由でもあるのか?」


俺が聞くと、リューラは驚くほど顔を歪めた。


そうとう嫌なことがあったのか‥‥‥


「コロシアム出た後、実践室、行った」


実践室‥‥‥トレーニングルーム、訓練室など皆が好きに呼んでいる部屋。


その場所なら、どれだけ、どんな魔法を使おうとかまわない。


入り口のドアの横に描かれている魔法陣に生徒手帳をかざすとカギが出てくる。


まだ使ったことはないが、実技試験前などではよく使用されているよう。


「そこ、なぜかオシレット先輩いた」


「オシレット先輩が?確かにリューラがコロシアムに出て行った後、姿が見えなくなっていたな」


「そこで言われた。負けた方、勝った方の言うこと、1つ聞く」


「肯定したのか?」


「(フルフル)オシレット先輩、返事聞いてない。
すぐ消えた」


オシレット先輩はよほどマイペースな性格をしているみたいだな。


「‥‥‥ここでいいか」


リューラと話していると中庭に着いた。


本当にこの学園は広くて困る。


中庭に人はおらず、俺は隅の方にある大きい木の根元に座った。


ここはあらゆる角度から死角になっている。


ここならゆっくり出来るな。


「リューラ、ここなら誰にも見られないぞ」


「ん」


リューラは返事をすると、俺の胸に倒れ込んできた。


それを受けとめ、リューラの頭を撫でる。


するとリューラはすぐに眠りについた。