バンテスト魔法書の保持者

まずいな、さっきはリューラがいたからいいものの今は‥‥‥


俺は溜め息を飲み込み、イナリシア先輩に向き直る。


「やっぱりお茶、だめ?」


コテンと首を傾げて聞くイナリシア先輩。


その姿は愛らしく美しく、ここで断れる男はそうはいないだろう。


だが‥‥‥‥俺は違う。


何も知らない無垢で純粋な瞳。


幸せに大事に育てられたのだろう。


「リオウ!」


俺が何も言えないでいると、レイトとライドがやってくる。


後ろにはミネアとラメルもいる。


本当に王族とよく関わってしまったな。


我ながら人には好かれやすいとは思うが、ここまで集まるとは思わなかった。


「リオウ殿」


「何だ?」


「ここは交流を深めた方がいいのでは?」


「そうか?‥‥‥それよりハクア」


「何ですか?」


「無理に敬語を使わなくてもいい。俺のことも好きに呼んでくれて構わない」


「き、気づいていましたのですか?」


「ああ。個人的にも、ハクアには自然でいてもらいたい」


「‥‥‥そうか。わかった」


俺はハクアの身体を撫でた。


ハクアは気持ちよさそうにしている。


撫でられるのは嫌いではないのか‥‥‥


「それにしてもリオウ」


「なんだ?」


「あのリューラという者とはどういう関係なんだ?」


「詳しくはもう1人に聞いてくれ。小さいころから一緒にいる幼なじみ、みたいなものだ」


「‥‥‥そうか」


ハクアは俺の思考をすぐに理解した。


リューラとの関係は複雑なことに気づいたのだろう。