バンテスト魔法書の保持者

‥‥‥リオウがこうなるのも無理はなかった。


私は‥‥‥私とリオウは、ハンラルトを言葉では言い表せないほど嫌っている。


それが例え、本人がやったことではなかったとしても。


「おーい、リオウ!」


レイトさんがリオウの名前を呼ぶ。


リオウは一度力を抜いた。


反応しなかったリオウを不振に思ったのか、レイトさんの方からこっちに来る。


リオウが力を抜くのと逆に、私の身体はまた強張っていく。


‥‥‥来るな、こっちに‥‥‥来るな!


「リューラ」


「!」


「大丈夫だ」


リオウは私を優しい目で見ていた。


何も心配しらない。


そうリオウの目は言っている。


‥‥‥大丈夫、落ち着け。


そう自分に言い聞かせた。


「あなたがリオウ君ね?初めまして」


「初めまして」


何の主張もないただの挨拶。


リオウの声はいつも通り。


ただ、繋がれた手に力がこもっている。


「私、とってもあなたとお話がしてみたかったのよ!こんな美青年だとは思わなかったけど」


「ありがとうございます」


「それでリオウ君、この後お茶でもどお?」


‥‥‥‥その言葉に、全員が固まった。


まさか生徒会長が、それもハンラルト国の王女が平民の1年生をお茶に誘うとは思わなかったよう。


期待したように皆がリオウを見る。


そんな目線を受けながら、リオウはそれはそれは美しい笑みで言った。