バンテスト魔法書の保持者

リオウは初め首を傾げたが、私の目を見ると納得したようだった。


「あいつか?」


「ん、過保護」


「そう言うな。お前の為を言ってるんだから」


そんなことは知っている。


ルクスは教会ではほとんど外にいて、私の近くにいてくれた。


でも、学園ではそうはいかないから。


「5番の方、入って下さい」


あ、私だ。


4番終わってたんだね。


リオウは私の頭を優しく撫でた。


本日2回目だ‥‥‥


リオウに頭なでられると、何か落ち着く。


リオウは笑顔を私に向けてくれる。


‥‥‥‥よし、落ち着いた。


「いってくる」


「ああ」


私はコロシアムに立つ。


日差しが眩しく、観客席に座っている人はほとんどの者が私に興味がないようだ。


ま、最下位だし当然か。


床に魔力で魔法陣を描き、呪文を唱える。


『我は力を欲する者なり。友を欲する者なり。
我と共に共存する者、我と共に道を歩む者よ。
我が名はリューラ。
この名を、声を、聞きし精霊に命じる。
精霊よ、今光の道を示し、我と運命を共にする者を此処に‥‥‥〈召喚魔法陣発動〉』


辺りは白い光に包まれ、その光が魔法陣の中に吸収される。


魔法陣が大きくなり‥‥‥‥


「!?‥‥‥カハッ」


いきなり迫ってきた大きな爪に、私は条件反射でガードした。


だがそのまま吹っ飛び、壁に激突する。


壁から地面に降り立つと、そこには黒い大きな魔獣がいた。


(ルクス、あれは‥‥‥)


『魔狼だぞ。気をつけろ』