上を見上げると、このベンチの真上には、先輩達の教室だった。

窓からは、神崎先輩のグループのメンバーが高笑いを広げていた。

「馬鹿みたい。私があんたに本当に優しくしてあげるわけないでしょ?でも、ちゃんと1人で来たことは褒めてあげる。」

その声は、いつものような低く冷たい声に戻っていて。

「これは1人で来たから、ご褒美ね。」
そう立ち上がった先輩が、ベンチの裏から出したのは水がたっぷり入ったバケツだった。

さっきと同じように頭の上から凄い勢いで水をかけられる。

もう、ため息しかでなくって。
そんな私を見て、先輩がいつものような高笑いをして、校舎に入って行った。